検討項目
位置 |
検討する部分 |
種別 |
訂正案, コメント |
P.4 L.5 |
〔第2段落〕(1.1の〔第4段落〕) |
X |
(本書で行う作業をより具体的に説明しています。) |
関連項目
位置 |
検討する部分 |
種別 |
訂正案, コメント |
P.4 L.5 |
さまざまな関係を研究することが |
Y3 |
さまざまな関係にかんするある検討が
(→詳細)
|
P.4 L.7 |
暗示的にせよ明示的にせよ, |
Y3 |
そうはっきりと言うかどうかは別としても,
(→詳細) |
P.4 L.10 |
もっともこの主張そのものは…解釈することができる |
Y3 |
しかし,この主張自体が,この先われわれが見るように,
多くの異なる形で解釈できるのだ
(→詳細) |
-
この段落(以下「第4段落」)は,段落8行目「...できる.」までの前半(A部)と,残り2文の後半(B部)で分けれらるかと思います。
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A部では,「個人的選好と社会的選択の間のさまざまな関係」に関してのある検討が「主要な関心事のひとつ」(one of our chief concerns)であるとしています。
- (第3段落で取り上げた「集合的選択にかんする判断」の異なる形式(表出形式など)の問題とはすこし違い,
元となる個人的選好(のセット)と最終的な社会的選択の
対応関係が取り上げられています。)
- 「ここでの多様性は並外れて大きい」というのは,
つづく文章から「個人的選好と社会的選択の間の関係」
がどうであるべきかに関する
(可能な)考え方の多様性を指摘したものと判ります。
とはいえ,本書はその可能な考え方すべてに同等に対応していくわけではありません。
-
本書では,特に「平等に考慮されるべきである」という主張を取り上げて,「多くの異なる形で解釈できる」としています。これがA部の中心的な論点と思われます。
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B部では,A部を受けて,それぞれの解釈に応じて「異なるシステムを得る」ことを指摘,本書が,この(「平等性」の異なる考え方に対応した)異なるシステムの「性質と挙動,含意」に「多くの関心をよせている」(is much concerned)ことを説明しています。
-
「性質」(nature)と「挙動」(operation)は,
「定義」と「運用」のようにシンプルに捉えてよいでしょう。
「含意」(implication)には,価値判断を含めて様々な意味があると思われます。
- 例えば,第2章のP.29-31に「パレート最適」の話題がありますが,その定義の確認は「性質」(nature),P.31の「ネロがローマを燃やすままにまかせることがパレート最適であった」という事例は「挙動」(operation),つづく「社会や経済はパレート最適であり,かつ,まったくの唾棄すべきものであるということも起こり得る」は「含意」(implication)に相当するかと思います。
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本ページの概要とお願い:
- 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の
特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
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[2011年8月26日 初版をアップ](最終アップデート:2011年8月29日)
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