アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【定理4*5について】

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.68 L.22 (定理4*5について) X



  • 補題1*q(P.27)で,Rから導出される選択関数C(S,R)が性質βを満たすことの必要十分条件は,Rが順序であることを確認していました。
  • そもそもSDFとSWFの違いは,SDFの値域に順序性を求めず,C(S,R)が空でないという条件に留めることでした(SWFでは順序性が必要でした(定義3*1, P.51))。
  • もしSDFの値域に順序性を求めるならば,それはもはやSWFであることになります。そして,アローの不可能性の定理(定理3*1, P.52)が再び適用可能になりますので,ここでも不可能性が確認できます。以上で定理の正しいことが確認でき,証明終了となります。





本ページの概要とお願い:
  • 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の 特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
  • 本ホームページの主旨や注意などについては,こちら(「読解のポイントを探る」項目リストページ)をご覧下さい。




[2015年7月16日 初版をアップ]

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