検討項目
位置 |
検討する部分 |
種別 |
訂正案, コメント |
P.68 L.4 |
(定理4*4について) |
X |
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- 定理4.3では,各個人レベルでC(S,Ri)が空になる現象が生じていました。今回は(無限の選択肢を前提しつつも)C(S,Ri)が空にならない個人の存在を仮定して議論を進めています。
- 例えば,x1Pix2, x2Pix3,...のような構造であれば,C(X, Ri)の中にX1が含まれることは間違いないでしょう。
- さて,ここではxRy⇔〜[∀i: yPix]という集合的選択ルールが例として取り上げられています。全員が明確にyをxよりも好むのでない限り,すべてxRyとするというルールです。非常に消極的で,多くの選択肢ペアについてIが成立しそうです。(ただし,全員が明確にyをxよりも好む場合は,〜(xRy)&yRxが成立するためyPxとなります)。
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さて,ある個人iについて,x∈C(S,Ri)であるとすれば,
その個人の中ではxは全ての他の選択肢とくらべて少なくとも同程度に
好ましいのですから,任意の他の選択肢yに関して,yPixは成立しません。よって社会レベルでは,xRy⇔〜[∀i: yPix]の定義に従い( [∀i: yPix]が成立しないので,その反対として),任意の他の選択肢yに対して xRyが成立します。すなわち,x∈C(S,R)であることが確認できることになります。
- 以上,少なくとも1人の個人が選択関数をもつことから,社会も選択関数をもつようにさせることができる(そのようなSDFを設計できる)ことが確認できました。
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本ページの概要とお願い:
- 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の
特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
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[2015年7月16日 初版をアップ]
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