アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【P.56「証明」】(アローの不可能性定理の証明〔後半〕)

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.56 L.1 (「証明」について) X (この証明が「アローの不可能性定理」の証明の後半部です。)

関連項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.56 L.26 条件Uにより X (「条件Oにより」であれば判りやすいのですが。→詳細〔準備中〕)



  • 以下の点に気をつけると判りやすいかと思います。
  • P.56の中ほどから,Vが1人の個人しか含まないことを背理法で証明しようとしています。すなわち,「それが2人以上の個人を含んでいるならば」が否定されるべき仮定です。
  • ((1) の「V1に属するすべてのiについて」では,iが一人なので「すべての」の表現が気になるところです。ですが,原文にも"For all i in V1とあります。元の英文を尊重すると,「すべての」と加えるのも致し方がないところかもしれません。)
  • P.56の下から3行目で「条件UによりRは完備であることが求められる」は,条件Uと完備性とのつながりが判りにくいかもしれません。ここは,本書において条件Uが「ルールfの定義域を"個人の順序の論理的に可能なすべての組み合わせ"に拡大しても,条件Oを崩さない」というニュアンスのものであったことを思い出します。つまり,重要なのは条件Oの「値域がX上の順序の集合に制限される」点です。順序は反射性・推移性・完備性に基づくので,Rは「完備であることが求められる」ことになります。





本ページの概要とお願い:
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[2011年12月12日 初版をアップ]

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