アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【P.53 L.8】

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.53 L.8 どんな順序対についてでも Y3 いずれか1つの順序対についてでも



  • この部分の前後は原文では"Suppose that person J is almost decisive for any ordered pair of alternatives" で,「人物Jが選択肢のいずれかの順序対について弱い決定力があるならば」というニュアンスです。
  • 現在の訳文の「どんな順序対についてでも」では, i)「どれか1つの順序対についてでも」という意味のほかに,ii)「すべての順序対について」という意味の可能性が感じられます。ここではi)の意味が適切ですが,むしろii)の意味で読まれてしまうことが多いと思います。
  • 以上の点と,現在の訳文を大きく修正しないことを考えて,「どんな順序対についてでも」を「いずれか1つの順序対についてでも」とする訳案を考えてみました。





本ページの概要とお願い:
  • 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の 特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
  • 本ホームページの主旨や注意などについては,こちら(「読解のポイントを探る」項目リストページ)をご覧下さい。




[2011年11月27日 初版をアップ]


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