アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【P.28 図1.1】

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.28 最後 (図1*.1について) X



 8本の矢印がありますが,前提とする性質に違いがあるようです。

  • Tを中心としたPP, PI, IP, IIへの4本の矢印は補題1*a(p.15)に基づいています。ここでは完備性は前提にしませんでした

    (補題1*aで前提にした「準順序」の条件には推移性のほかに反射性が含まれますが,実際の補題証明では反射性の性質は使われませんでした。つまり補題1*aの「準順序性」の条件は,「推移性」とおきかえてもよかったことになります。そこで,本図でTを中心としたPP, PI, IP, IIへの4本の矢印を考える上でも,反射性の前提は考えなくてよいでしょう。)

  • 中央上部のPP & PI → Tの矢印は補題1*o(p.26)に基づいており,完備性を前提にしています
  • 残るPI⇔IP, IP→II, PP & II →PIの3本の矢印は補題1*r(p.27)に基づいており,完備性を前提にしています

    (補題1*rにはIP→IIがなく,PI→IIとなっていますが,PI⇔IPのためIP→IIともいえます。)






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    • 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の 特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
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    [2011年9月22日 初版をアップ] (最終アップデート:2011年9月28日)


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