検討項目
位置 |
検討する部分 |
種別 |
訂正案, コメント |
P.18 L.7 |
(補題1*eについて) |
X |
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関連項目
位置 |
検討する部分 |
種別 |
訂正案, コメント |
P.18 L.17 (証明9行目) |
x0Px2を導くからである。 |
Y1 |
x0Px1を導くからである。
(→詳細) |
- 同値(⇔)であることの証明ですが,(最後の2行を除き)→の証明を背理法で進めています。
- 証明の4行目では,補題1*dから「C(S,R)が空である」としていますが,ここで
補題1*dは対偶をとるかたちで用いています(補題1*dの対偶は,「准順序Rにたいして,C(S,R)≠M(S,R)ならばC(S,R)は空」)。
- そこで証明4行目では(C(S,R)≠M(S,R)の仮定のもとで)C(S,R)が空となり,よってM(S,R)は空でないことになります。
つまり,M(S,R)には少なくとも1つ要素があるはずなので,それをx0としています。
- 証明5行目の→の左辺で,(C(S,R)は空としているので)x0はもちろんC(S,R)に属することはできません。
→の右辺は左辺から導かれるのですが,これはC(S,R)の定義です。
- この証明5行目の→の右辺で登場する「~(x0Rx1)」がポイントです。
- 証明6行目で「仮定よりx0Ix1」とあるのは,
いま同値(⇔)の→の証明をしていて,その左辺の仮定にあてはまることの指摘です。
- 証明8行目で「このことは...導く」とあるのは,M(S,R)の定義からです
(もしこのようなx2がないとするとx1がM(S,R)に入ってしまうことになります)。
- 証明9行目でx0Px1が登場し,
これが
証明5行目の「~(x0Rx1)」と矛盾するという
のが流れです。
- 証明9行目でx0Ix2が得られるのは
仮定からです(x0とx1がともにM(S,R)に属するとすれば仮定よりx0Ix2)。
- またx0Px1が得られるのは,
そのx0Ix2と1行前のx2Px1を考えあわせた結果です(補題1*aの(3))。
- 証明の15行目でx0Px1が再び登場して「偽である(からである)」とされていますが,これも同じく
証明5行目で現れた「~(x0Rx1)」と矛盾するということと理解できます。
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- 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の
特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
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[2010年12月3日 初版をアップ](最終アップデート:2011年8月11日)
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