検討項目
位置 |
検討する部分 |
種別 |
訂正案, コメント |
P.14 L.9 |
(定義1*3〔極大要素と極大集合〕と
定義1*4〔最良要素と選択集合〕の違いについて) |
X |
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- (選好については「よい」とか「少なくとも同じくらいよい」という表現が適切ですが,
ここでは簡単に「上」とか「以上」という表現でまとめたいと思います。)
- 定義1*3の極大要素の定義は「その要素よりも上である要素を見出せない」という考え方に基づきます。
これに対し,定義1*4の最良要素の定義は「すべての要素がその要素以下である」という考え方に基づきます。
(最良要素の場合,その「すべての要素」にはその要素自身も含まれます。)
- つまり,極大要素は,集合Sに含まれる要素のうち自分と比較可能な要素すべてと比較して,
それらがいずれも自分以下であればよい
(他に自分と比較不可能な要素があってもよい)というものです。
これに対して最良要素は,集合Sに含まれるすべての要素と
比較可能でなくてはならず,さらにその任意の相手と比較して,それらがすべて自分以下である必要があります。
(極大要素と最良要素の大きなちがいは要素の間の比較可能性にあるといえるでしょう。)
- なお集合Sが最良要素を含むということは,Sが完備であることを必要としません。
例えば「xはC(S,R)の要素である」というとき,xは他のすべての要素と比較可能性がなくてはいけませんが,
x以外の他の要素は相互に比較可能でなくても別に構わないためです。
(例えば,Sにx以外のyやzという要素があるとすれば,
「xはC(S,R)の要素である」というとき,
yとzの間の比較可能性はさしあたってあってもなくてもよいためです。)
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本ページの概要とお願い:
- 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の
特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
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[2010年7月11日 初版をアップ](最終アップデート:2010年11月14日)
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