アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【P.3 L.13】

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.3 L.13 見いだす人は誰であれこの仮定を完全に歓迎するが, Y2 見いだす人は皆,それはそれでまったく自由なのだが,



  • 「見いだす人は誰であれこの仮定を完全に歓迎するが..」の部分は,原文では"Anyone who finds... is entirely welcome to it,"となっています。
  • この"welcome"は"Welcome to Tokyo!"と言うときのような間投詞ではなく形容詞です。それが"to"に続きますので,「歓迎」ではなく「自由」の意味かと思います。
  • 例えば,小学館『英和中辞典』(1980年版)の形容詞としての"welcome"の説明および例文が参考になります:
    • <人が>自由に(...)してよい[使ってよい](to ..., to do) (→ 例文:You are welcome to another[or your own] opinion. 別のご意見でもいっこうにさしつかえありません。)
  • また原文の"it"は,先行表現を受けて漠然と"そのように考えること"を表していると思われます。 そこで,"is entirely welocme to it"に「それはそれでまったく自由なのだが」の訳案を考えてみました。
  • (「それはそれでまったく結構」という訳案も考えましたが,この方が「どうぞご自由に」というニュアンスが判りやすいかと思いました。)





本ページの概要とお願い:
  • 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の 特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
  • 本ホームページの主旨や注意などについては,こちら(「読解のポイントを探る」項目リストページ)をご覧下さい。




[2010年12月16日 初版をアップ](最終アップデート:2013年7月28日)


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